GENERAL DENTIDTRY一般診療
一般歯科
歯が黒くなったり、痛みが出たり、歯に穴が開いたりしたら、虫歯ができたと気づく方も多いかもしれませんが、無症状でも歯の内部で進行している虫歯もあります。
虫歯は少しずつ進行していくため、虫歯の進行度によって、歯の状態や自覚症状、治療方法は異なります。
歯の基礎知識と虫歯の進行度ごとの歯の状態、症状、保険診療および自費診療での治療方法について説明します。
歯の構造(エナメル質・象牙質・歯髄)
私たちの歯は、主に3つの組織から構成されています。
エナメル質
歯の表面を覆う一番外側の部分を「エナメル質」と呼びます。主にカルシウムとリン酸から構成され厚さは2~3ミリ程度です。人間の組織の中で一番硬い組織であり、半透明で、その下の象牙質の色を透かして見せることで歯の色が決まります。
象牙質(ぞうげしつ)
エナメル層の内側にあるのが「象牙質」です。硬いエナメル質の内側を弾力性がある象牙質が支えることにより歯は割れにくくなっています。象牙質は歯の大部分を占め、黄色みがかった色をしています。個人差はありますが、象牙質の色≒その人の歯の色(歯の白さ)となります。
また、エナメル質より柔らかい組織なので、虫歯が象牙質まで到達すると、虫歯の進行が早くなります。エナメル質が剥がれ象牙質が剝き出しの状態になると知覚過敏や痛みを感じるようになります。
歯髄(しずい)
歯の中心にある神経線維や血管などが通っている組織のことです。一般的には「歯の神経」と呼ばれ、痛みを感じる部分でもあります。歯の感覚や象牙質への栄養補給、炎症など刺激に対する防御機能の役割もあります。
虫歯の原因菌と虫歯ができる仕組み
お口の中には約300種類以上の細菌がいるといわれています。その中で虫歯の原因となる代表的な菌はストレプトコッカス・ミュータンスという約1㎛の球状の菌です。
虫歯菌は歯の表面に付着するとわずか数時間で増殖し歯垢(プラーク)を作ります。これがお口の中で白っぽく見える汚れで歯垢1mgの中に10億個以上の細菌が存在しています。
虫歯は、細菌が糖分をエサに酸を生成し、その酸が歯のエナメル質を溶かすことで始まります。初期段階では歯の表面が白濁する程度ですが、進行すると穴が開き、痛みを伴います。さらに進むと象牙質や神経にまで達し、強い痛みや歯の機能低下を引き起こします。治療法は進行度により異なり、初期はフッ素塗布で再石灰化を促しますが、中等度以上では詰め物や神経治療が必要です。早期発見・予防が虫歯対策の鍵です。
虫歯の進行段階(CO、C1~C4)ごとの症状と治療法
歯の中心にある神経線維や血管などが通っている組織のことです。
一般的には「歯 の神経」と呼ばれ、痛みを感じる部分でもあります。歯の感覚や象牙質への栄養補 給、炎症など刺激に対する防御機能の役割もあります。
虫歯の進行具合 | 治療内容 | |
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C0 |
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C1 |
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C2 |
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C3 |
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C4 |
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C0(初期虫歯)
初期虫歯とは、歯の表面のエナメル質がすこしずつ溶け始めている状態で歯の表面に小さな斑点や濁みが見られる状態です。
この状態の場合、歯を削るなどの大きな処置は行われず、適切なケアと予防処置によって進行を止めることが可能です。
- 歯の状態
-
- ●自覚症状:痛みなし
- ●歯の表面に小さな白濁が見られる
- ●歯に穴は開いていない
- 治療方法
-
フッ素塗布や適切なケアでエナメル質の再石灰化を促し自然治癒をはかる。
ブラッシング指導や口内ケアを行い進行の予防を行うことが重要です。
C1(シーワン:エナメル質の虫歯)の症状・治療法
痛みなく治療することができ、歯を削ることも最小限で済むことが多いので、この段階で治療を受けることが望ましいです。
- 歯の状態
-
歯の表面のエナメル質が虫歯菌により溶かされ小さな穴があいた状態
歯を削る量も最小限で済むので、この段階で治療を受けることが望ましいです。- ●自覚症状:痛みなし
- ●歯の表面に小さな白濁が見られる
- ●歯に穴は開いていない
- 治療方法
-
虫歯を削って、詰め物をする方法と、削らずに治療する方法があります。
虫歯の進行度や歯の状態によって異なります。定期的な検診を受けて、虫歯の進行を食い止めましょう。
保険治療 コンポジットレジン修復(詰め物)
虫歯を削り、歯の色調に似たプラスチック(レジン:合成樹脂)の詰め物をします。
- メリット
-
- 安価
- 金属アレルギーがある患者にも使用できる
- 治療即日に充填するため治療回数を少なくできる
- デメリット
-
- 経年劣化でレジンが剥がれたり、咀嚼に伴いすり減ったりする。
- レジンは吸水性がある為、唾液や口腔内の水分による変色、着色、悪臭が生じることがある。
治療回数
1回
費用
コンポジットレジン修復(詰め物) | ¥1,500~¥2,000 程度(税込) /1本 |
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自費治療 ダイレクトボンディング(審美的レジン修復)
ダイレクトボンディング(審美的レジン修復)
虫歯を削り、数種類のプラスチックで築層し詰め物をします。
- メリット
-
- 天然歯のような色調や形の再現が可能
- 保険治療のプラスチックよりも強度が高い
- デメリット
-
- 経年劣化に伴う、変色や境目の着色が起こることがある
治療回数
1~2回
費用
ダイレクトボンディング (審美的レジン修復) |
¥33,000(税込) /1本 |
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C2(シーツー:象牙質の虫歯)の症状・治療法
冷たいものや甘いものを食べたときにしみたり、痛みを感じ始め、虫歯と気づく方が増えてきます。
象牙質はエナメル質より柔らかいので、虫歯の進行が早く、早期の治療が必要です。
- 歯の状態
-
エナメル質よりも内側の象牙質にまで、虫歯が進行した状態。
- ●自覚症状:痛みを感じる
- ●虫歯の部分が黒くなる(穴が開く)
- ●歯冷たいものや甘いものがしみる
- ●虫歯の小さな穴に食べかすが詰まり、口臭を感じることがある
- 治療方法
- 虫歯部分を削り、詰め物(レジン修復・インレー修復)や被せ物(クラウン)をすることです。詰め物や被せ物にはコンポジットレジンや金属などがあり、虫歯の箇所や削った量によってどちらを利用すべきかが決まります。
保険治療 コンポジットレジン修復(詰め物)
虫歯を削り、歯の色調に似たプラスチック(レジン:合成樹脂)の詰め物をします。
- メリット
-
- 安価
- 金属アレルギーがある患者にも使用できる
- 治療即日に充填するため治療回数を少なくできる
- デメリット
-
- 経年劣化でレジンが剥がれたり、咀嚼に伴いすり減ったりする。
- レジンは吸水性がある為、唾液や口腔内の水分による変色、着色、悪臭が生じることがある。
治療回数
1回
費用
コンポジットレジン修復(詰め物) | ¥1,500~¥2,000 程度(税込) /1本 |
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保険治療 メタルインレー(詰め物)、メタルクラウン(被せ物)修復
歯と歯の間の隣接面を含む虫歯や歯の大部分を含む大きな虫歯が対象です。金、銀、パラジウム合金で詰め物や被せ物をします。
- メリット
-
- 安価
- デメリット
-
- 素材には非金属の銀も含まれているので、長期的な使用においては酸化・ 腐食・さびやすい
- 金属アレルギーのリスクがある
- 歯ぐきに沈着し、黒く変色することがある
- 銀色で目立つ
- 二次う蝕(銀歯の内部で虫歯になっている)のリスクが高い
治療回数
2回
費用
メタルインレー(詰め物) メタルクラウン(被せ物)修復 |
保険適用 |
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自費治療 セラミック・ジルコニア修復(詰め物)セラミック・ジルコニアクラウン(被せもの)
詰め物・被せ物の素材に、光透過性に優れているオールセラミック(e-max)や強度が 強く人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアを使用します。どちらの材料も生体親和性が 良く見た目に美しい材料です。
- メリット
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- 見た目が美しい
- 劣化しにくい
- 生体親和性が良い
- 金属アレルギーの心配がない
- 表面によごれが付きにくい
- 色、形が自由に選べる
- デメリット
-
- 割れる可能性がある
- 保険が適用されない
治療回数
2~3回
費用
インレー(詰め物) | ¥71,500(税込) /1本 |
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クラウン(被せ物) | ¥93,500~(税込) /1本 |
C3(シースリー:神経まで進行した虫歯)の症状・治療法
大きく穴が開き、激しい痛みを伴うため、ほとんどの人が虫歯ができたと気づきます。この段階まで進行すると、詰め物・被せ物をする前に「根管(こんかん)治療」が必要となります。
- 歯の状態
-
虫歯が象牙質を超えて、神経まで到達した状態。
- ●自覚症状:何もしなくても激しい痛みを感じる。(自発痛)
- ●冷たいもの・温かいものが酷くしみる
- ●大きな穴が開いたり、大きく欠けたりする
- ●口臭が出る場合がある
- 治療方法
- 歯の神経を取り、根の中を消毒(根管治療)した上で、土台を作り、被せ物をします
保険治療 根管治療+土台作成(レジン・メタル)+被せ物(CADCAM冠)
土台(コア)および被せ物の素材には、メタルもしくはファイバーコアを使用します。被せ物にはメタルか保険でできる白い歯(CADCAM冠)を装着します。
- メリット
-
- CADCAM冠の場合
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- 金属アレルギーの心配がない
- 保険が適用されるため、費用が抑えられる
- 天然歯に近い硬さのため、かみ合う歯への負担が少ない
- 審美性に優れている
- メタルクラウンの場合
-
- 強度が高く、欠けたり割れたりするリスクが低い
- 経年による変色が少なく、天然歯のような自然な白さを維持できる
- 大きな虫歯でも修復できる
- 汚れが付きにくいため、虫歯の再発や歯周病のリスクを抑えられる
- デメリット
-
- 歯をくっつける接着剤の経年劣化による二次虫歯リスクが高い
- CADCAM冠の場合
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- たわむので被せ物が外れやすい
- 強度に劣るので壊れやすい
- 経年劣化によって変色することがある
- 吸水性があるので臭いが付きやすい
- 経年劣化によって変色することがある
- メタルクラウンの場合
-
- 金属アレルギーのリスクがある
- 金属の溶け出しによる歯ぐきの黒ずみがみられることがある
- 審美性が悪い
治療回数
5~7回(根管治療3~5回+土台作成・被せ物調整2~3回)
費用
根管治療+土台作成(レジン・メタル)+ 被せ物(CADCAM冠) |
保険適用 |
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自費治療 精密根管治療+土台作成(ファイバーポストコア)+被せ物(セラミック・ジルコニア)
精密根管治療では、薄いゴム製のシートを使ったラバーダム防湿法で行います。
最終的に根に詰めるお薬は強い殺菌作用があり高い封鎖性があるバイオセラミック セメント(MTAセメント)を使用します。また、土台は天然歯の象牙質と同様の弾性に優れるファイバーポストコアを使用し歯の根の破損を予防します。
- メリット
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- 抜歯を回避することができる可能性がある
- 根管の再感染リスクが低い
- 再治療になるリスクを低減できる
- デメリット
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- 根管治療、土台、被せ物すべて自費となるため、治療費が高額となる
治療回数
5~7回(根管治療1~4回、土台作成・被せ物調整2~3回)
費用
精密根管治療+ファイバーコア+フルジルコニアクラウン+仮歯 | 精密根管治療¥33,000+ファイバーコア¥16,500 +フルジルコニア¥93,500+仮歯¥6,500 上記全て税込価格です |
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C4(シーフォー:ほとんど歯が無いの虫歯)の症状・治療法
虫歯の進行の最終段階です。
歯の大部分が崩壊し根だけになった状態です。 歯の神経は死んでおり、痛みはほとんど感じません。
状態にもよりますがほとんどの場合は抜歯が適用されます。
- 歯の状態
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歯冠(歯の頭の白い部分)が崩壊し、根の部分だけ残っているか、いないかといった 状態。
- ●何もしなくてもズキズキと違和感程度に痛む
- ●以前、強い痛みがあったが、次第に痛みを感じなくなった
(歯の神経が死んでしまった状態) - ●膿のような臭いがする。
- 治療方法
-
歯を残せる場合:根管治療+被せ物(C3治療と同じ)
歯を残せない場合:抜歯(歯を抜く)+歯の代替処置(ブリッジ・入れ歯・インプラント)
保険治療 抜歯+ブリッジ(硬化レジン・メタル)
欠損歯が1~2本の場合に適応となり、失った歯の両端の歯を削って、橋渡しのように 人工歯を作る治療です。
支台歯に重度の虫歯や歯周病がなく、問題なく機能している状態である場合に保険適用されます。
- メリット
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- 安価
- 入れ歯のような違和感がない
- デメリット
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- 失った歯の両隣の歯を削る必要がある
- 食べ物がつまりやすくなったりする
治療回数
3~5回(抜歯1回+ブリッジ2回~)
費用
抜歯+ブリッジ(硬化レジン・メタル) | 保険適用 |
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保険治療 抜歯+入れ歯(プラスチック樹脂の人口場と義歯床、金属製の留め具)
多くの歯を失ってしまった場合やご自身の歯を極力削りたくない(ブリッジ治療)場合などに適応となります。
保険治療の部分入れ歯は、アクリルレジン(プラスチック樹脂)の人工歯と歯肉に似た色の義歯床、金属製の留め具(クラスプ)からなります。
- メリット
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- ブリッジ治療をするための健康な歯を削らなくてよい
- デメリット
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- しゃべりずらい
- 外れやすい場合がある
- 適時調整が必要
- ご自身で清掃管理しなくてはならない
- 金属の留め具が目立つ
- 消耗品の為2年程度で新製が必要になる場合がある
治療回数
3~5回(抜歯1回+入れ歯2回~) ※歯の代替処置は、抜歯後1~2か月空ける必要があります。
費用
部分入れ歯 | ¥5,000~15,000(税込)程度 |
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総入れ歯 | ¥20,000~30,000(税込)程度 |
自費治療 抜歯+ブリッジ(セラミック・ジルコニア)
抜歯後のブリッジにジルコニアセラミックを使用すると、歯の生え際を自然に表現でき、噛み合わせが強い奥歯や歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも安心して使用できます。
自費治療のブリッジでは、人工歯の素材がセラミックやジルコニアとなります。
- メリット
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- 見た目に美しく自然な仕上がりにできる
- 自分の歯と同じように噛むことができる
- インプラントに比べると治療期間が短い
- 汚れが付きにくい
- デメリット
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- 失った歯の両隣の歯を削る必要がある
- 食べ物がつまりやすくなったりする
- 治療費が高額となる
治療回数
3~5回(抜歯1回+ブリッジ2回~)
費用
抜歯+ブリッジ(セラミック・ジルコニア) | ¥280,500~(税込)/歯が3本のブリッジの場合 |
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自費治療 抜歯+入れ歯(ノンクラスプデンチャー、コンフォートデンチャー、金属床)
抜歯後に失った歯の機能を補うために、入れ歯を作製します。入れ歯には、部分入れ歯や総入れ歯などがあります。
自費治療の入れ歯は、目立ちやすい金属の部分をピンク色のレジンで作成することが出来ます。
- メリット
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- 外れにくく、装着時に違和感の少ない入れ歯が作製可能
- 金属の留め具がなく、一見入れ歯だと分からない(ノンクラスプデンチャー)
- 患者さんに合った細かい噛み合わせの調整ができる
- デメリット
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- 入れ歯作製に時間がかかる
- 治療費が高額となる
治療回数
5~7回(抜歯1回+入れ歯4回~)
費用
部分入れ歯 | ¥165,000~(税込) |
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自費治療 抜歯+インプラント
歯を抜いた後に外科手術で人工の歯の根(人工歯根)を顎の骨に入れます。
病巣がなければ歯を抜いた直後にインプラントを埋めることも可能です(即時埋入法)
通常は抜歯を行った後に歯の抜けた部分が回復するのを待ってから、後日インプラントを埋めていきます。
- メリット
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- 天然歯のようにしっかり咬むことが可能
- 義歯の煩わしさがない
- ブリッジのように、隣の健康な歯を削る必要はない
- デメリット
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- 治療期間が長い(3~4か月程度)
- 治療費が高額となる
治療回数
5回~(抜歯1回+インプラント1回~+型どり1回)
費用
抜歯+インプラント | インプラント1本¥242,000~(税込) 被せ物¥93,500〜(税込) |
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都歯デンタルクリニックの一般歯科(虫歯)治療方法
- 保険治療 コンポジットレジン修復(詰め物)
-
保険治療
メタルインレー(詰め物)
メタルクラウン(被せ物) -
自費治療
ダイレクトボンディング
(審美的ダイレクトレジン修復) -
自費治療
セラミック・ジルコニア修復(詰め物)
セラミック・ジルコニアクラウン(被せ物) -
保険治療
根管治療+土台作成(レジン・メタル)
+
被せ物(CADCAM冠) -
自費治療
精密根管治療+土台作成(ファイバーポストコア)
+
被せ物(セラミック・ジルコニア) -
自費治療
精密根管治療+ファイバーコア
+フルジルコニアクラウン+仮歯 -
自費治療
抜歯
+
ブリッジ(セラミック・ジルコニア) -
保険治療
抜歯+入歯
(プラスチック樹脂の人工歯と義歯床、金属製の留め具) - 自費治療 抜歯+インプラント
-
保険治療
抜歯
+
ブリッジ(硬化レジン・メタル) -
自費治療
抜歯+入歯
(ノンクラスプデンチャー、コンフォートデンチャー、金属床)